卸売業向けインストラクションコース

卸売業の情報システム − パートナーの選択編

第27回「パートナーの選択と対処方法(その1)」

卸売業の情報システム創りに際して、どのようなパートナーと組むべきかをカストプラス流にアレンジしてご紹介いたします。

(2)パートナーの選択と対処方法
卸売業のシステム化をはかるためのパートナーを選ぶには、どのようにすれば良いか考えてみます。

@システム開発手法の研究
これからのシステム化を考えたとき、一つ一つのアプリケーションが非常に込みいった高度なものとなっていきますので、たいがい自社単独のノウハウだけでは他社との競争に追いついていけなくなっています。たとえば昔から活用されてきた棚割用のソフトウエアパッケージがその例です。求められる要件が棚割のグラフィクスであったり、得意先小売業と情報共有するのは当然として、他の卸売業やメーカーとも棚割情報を交換・共有することが求められると、自社で独特の棚割情報を主張するのは問題が出てきます。社内に限った活用としては独自開発のソフトウエアであっても良いのですが、得意先にプレゼンしたり、多くの会社とデータ共有するのは何らかの共通フォーマット、標準的な運用方法などを選ぶことになります。その場合にデータ変換ソフトを作るというよりは、棚割ソフトのパッケージを購入・活用したほうが安上がりだということになるでしょう。
物流原価計算やEDIなどは今後、自社での独自開発ではなくできるだけ共通仕様のパッケージソフトや、データフォーマットや項目が規定される標準化されたものに集約されることでしょう。
一方、基幹システムの中核となるような業務はなかなか標準化される動きはありません。各社各様の事務処理方式であったり、チェック基準がかなり曖昧であったりします。これで少々不利になったのがERP 【Enterprise Resource Planning】の導入です。業務が標準化されている場合には、型(型自体は何種類かある)にはまったシステムの組み立てをすれば構築が容易にできるという考え方です。この方法・ツールでシステム化を図ろうとすると多くの日本企業では、型にはまらない、独自の主張をする、前後の業務変更がどうしても譲れないなどという理由で問題が発生します。個別開発するボリュームが増え何のためにERPを選んだのかが説明できなくなることが多発しているようです。また大規模なERPは卸売業には難しく、卸売業にマッチしたERPなどができて、初めてうまくいくということはあるかも知れません。
いずれにしても、システム開発は高度な手法や高度なパッケージソフトを使っておこなう傾向にあります。昔ながらのSEと膝を突き合わせて時には喧嘩をしながら開発するという方法は、よほどの信頼関係がないと難しくなってしまいました。現在の卸売業システムは大きくレベルアップすべき時なので、その課題と方策を考えてみるべきでしょう。(下図を参照ください)



A誰をアクセスするのか
パッケージソフトの多くは小規模または中規模のソフトウエア会社やコンサルティング会社で開発され紹介されています。そうしたパートナーとのつきあいが少ないと、情報も不足がちになるし実際どのように活用されているかなどの実態にも疎くなってしまうことさえあるのです。そこでまずは情報を持っていそうなソフトウエア会社やコンサルタントを捜し、情報を簡単にいつでも入手できるようにしておくことが肝要となります。また比較検討などもスムーズに行くようにあまりメーカー系に依存していないタイプのソフトウエアを中心に良いものを選べる環境を作っておくなどの対策が必要でしょう。
情報システムに関するパートナー企業は特にいないとする卸売業で間違ってはいけないことがあります。それは、「ネットで調べればなんでもわかる!」という伝説を信じてはいけなということです。ネット上にはヒントは山ほどありますが、それが答えを隠したヒントなのか、答えがなく辿りつかないが課題は明確だというヒントなのかを見定めなければなりません。ネットでなんでも分かるという気分になってはいけません。ネット上には肝心な答えは載っていないものだと考えるのが妥当でしょう。
それと似ている現象もあります。「もう卸売業のシステムは全てわかったし、完成している!」という考え方です。今まで著者も数回経験しています。その企業はまだ未完成でしたが、社長さんがそのように考えていたために、20年間全く進化がなく平均的な生産性も出ていないし、営業の水準もほとんど上がっていません。気合と根性で乗り切っているように見えます。改善の経験値が高い卸売業から見てみると、そのわかった気分の卸売業は初心者的な試行錯誤による失敗を多く繰り返しているといいます。もっとベストプラクティスの内で非競争領域の情報共有と業界の進化が実現できればいいなと思います。
過去のビジネスモデルも今に至るまでを積み上げてきた実績ですが、新しく変化することも必要でしょう。世界をリードする流通システム構築も夢ではない日本の未来を一緒に作る気持ちのある人にアクセスしてみることも大切になってきています。
基本的には誰をアクセスするのか?手近なソフト会社でもコンサルタントでも聞いてみることから始めましょう。それで十分スタート地点に立てます。そこから先を追加してアクセスできるように働きかけることも同じように重要です。また、業界の中心部分には、システムを良くしようとする動きがきっとあります。そこにもアクセスしてみましょう。業界団体は大変重要です。いまの会員減少傾向が大変心配ですが、盛り上げるのは未来の各社なので、要望を出し続けることがこの難曲を突破する道筋だと思います。

つづく(次回は「(2)パートナーの選択と対処方法(その2)」です)

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