売上予算の自動組立プラン
最近の厳しい経済状況において、従来どおりの売上予算編成を行うことに限界を感じている企業にお勧めのプランです。
売上予算の編成は本来マーケティング的な要素や、企業の目標とする数値に合わせて行われますが、部署別や担当者別に割り当てる際に頭割り(職位や経験によって簡単な係数がある)売上予算編成をしていることがあります。しかし以前に比べ得意先単位の売上低下やそれに伴った解決法として取扱い品目を増やしたり、得意先軒数を増やしていくなどの対策をしたり、得意先業態が細分化してきていたり、地域によって得意先業績に変化が異なってしまったりと、売上予算編成の変動要素が著しく増加してしまった企業もあるのではないでしょうか?そうした企業では、頭割りではもはやでこぼこが顕著になり、楽に予算達成できたりまったく手が届かなかったりと成績に禍根を残すこともあるのではないでしょうか?
そこで、売上予算編成にて本来加味すべき複雑な変動要素を一定のルールで捕らえ、自動的に割当を行い、しかもトップダウンでもボトムアップでもトップボトム間調整もできるシステムを構築していただくのがこのプランです。
1.昨年度対比からの編成
売上予算編成の常套手段として、昨年度対比として全体額を決定するという方針を出す場合の例をご説明します。
@トップダウン型
まず少々乱暴なやり方ではありますが、「売上10%アップ!」と社長が決めてしまった場合を考えてみます。全体金額は10%アップで決まっていますので、問題はその割り振りをどうするのかということになります。
たとえば、貴社の状況を見て次のようなステップをふんだシステム案を考案します。
ご注意!→以下は単なる一例であり、必ずしもこの通りにはなりません
第1ステップ→要素別伸び率テーブルを作る
第2ステップ→プラス要素を合計し昨年売上×110%とのギャップ額〔a〕を算出する
第3ステップ→マイナス要素を合計し昨年売上×110%とのギャップ額〔b〕を算出する
第4ステップ→マイナス要素の改善勧告率〔c〕を設定する
第5ステップ→プラス要素に対してのみギャップ額〔a〕+〔b〕×(1−〔c〕)を積上げる
第6ステップ→微調整を行う(最大伸び率制限やその他のチェックポイントに従う)
この手順が確立できるとしたら、アプリケーションを開発し自動化します。
Aボトムアップ型
各担当者から、来年度の予算をどうするか申告し、部門別〜全社をまとめる際に調整するという編成タイプです。
たとえば次のようなステップでシステム化を考えます。
ご注意!→以下は単なる一例であり、必ずしもこの通りにはなりません
第1ステップ→要素別伸び率テーブルを作る
第2ステップ→取引先(取扱い品目)別重点強化マークをつける
第3ステップ→予測値と申告値のギャップ額を算出する
第4ステップ→さらに上位上司勧告値とのギャップ額を算出する
第5ステップ→個別案件の確度別補正をする
第6ステップ→昨年度対比を行い微調整を行う
この手順が確立できるとしたら、アプリケーションを開発し自動化します。
Bアップダウン型
上記@とAを交互に行う編成方法です。Aの第6ステップが昨年度対比ではなく、トップからの示達に置き換えます。各部門・担当者などが迅速に作業できるよう、グループウエアを導入し、画面上でほとんどの作業ができるようにし、電卓を夜なべしてたたかせるようなことは避けます。
この手順が実現できそうであれば、グループウエアの検討やアプリケーションの開発を行います。
2.期中に修正する
重点強化が予測不可能な事態変化により実現不可能になったり、個別案件の状況変化により望みがなくなったりと、とかく売上予算の修正が発生します。そのような下方修正ばかりではなく、もちろん上方修正もありえます。
ここで問題なのは、発生したギャップを、そのとなりの担当者にまるまる上乗せするようなことです。それでは適正な営業活動や評価ができなくなってしまいます。
さて、このような修正をどのように行うのかを考えてみます。
基本的には、1.でご説明したような配分ルールに基づくようにしますが、当然期中には具体的な変動要素がありますので、担当者の変更や要素別伸び率テーブルの変更などもありえます。必要な機能はおそらく手入力によるものでしょう。しかし上記の問題のように、となりの担当者にまるまる上乗せするというのは具合が悪く、部門内配分か全社配分を行うようにします。または、全社売上予算そのものを修正するということもあるでしょう。
このような状況に応じた修正機能を考案し、システムに反映させるようにします。
※要素別伸び率テーブルについて
要素とは、貴社における売上変動および売上推移の要素のことで、たとえば得意先業態(グループ)の売上伸び率の変化に比例するのであれば要素とするということです。取扱い品目にカテゴリーが設定されている場合にはその変化も要素となりえるでしょう。また、担当者の経験や貴社の当該マーケットに対する強さなども数値化して入れておくと良いでしょう。
これらの要素をそれぞれの売上伸び率の形で表現したものが「要素別伸び率テーブル」です。
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