流通業に適したSFAの導入プラン
SFA(Sales Force Automation)は営業活動を強力に支援する仕組みです。日常活動の中で、繰り返しとなるいわゆるルーティンワークを補助してすばやく処理できるようにしたり、習慣的になっていたり、直感に頼ったりしている部分の根拠を明確にする手伝いをしたりします。ここではそうした支援を直接営業支援プログラムと間接営業支援プログラムに分けて説明します。
このプランの進め方は、まず
@間接営業支援プログラムの構築
a:業務分析・問題点の整理
b:プログラム化の検討と効果推定(定量化)
A直接営業支援プログラムの構築
a:売上指標/粗利指標等の調査と分析
b:プログラム化/パッケージ利用の検討と効果推定(定性・定量化)
を実施し、SFA全体の計画を立てます。
その後テスト運用を経て、一回改善します。改善までがプランに盛り込まれていると考えていただきます。SFAは営業部門からすれば、今まで手作業でもできていたと感じる部分が多く、メリットをご理解いただけないケースがありますので、改善を一回行うところまでフォローすることで徹底が図れ、プログラムに対する理解も得られるようになるのです。
1.繰り返し業務の分析
営業活動の中で、商談の準備を怠らず、お得意先を訪問し商談を確実に決めて成績を上げるといったプロセスは当たり前の形ですが、管理者から見ると営業マンによっては「外出しているが、その先はブラックボックスで何も見えないものの、成績が上がっているのでよくやっているのだろう。」というパターンや、「外に行ってはいるが成績も芳しくなく何が悪いのかわからないが、とにかく発破をかけてみよう。」というパターンなど、十人十色の管理方法を試すことになるでしょう。そこで、成績の進捗管理表や訪問予定/実績の日報のようなものを提出させたり、それでは物足りないので、その訪問時のトピックを一言書かせたり、商品やサービスに関する具体的項目をひとつ以上記入させたりと、いろいろな工夫をするものです。
一方、営業マンからすれば、よく成績を上げている人ほど、そうした提出物が徐々に負担になり、ついには成績に影響が出始めたり、あまり成績を上げられない人にとっては、格好のいいわけ媒体になってしまい挙句の果てには報告書を書くことが上手になってしまうほどだったりします。これは必要なものに絞ることが重要といえる現象ですが、本来の営業活動に戻すために第三者の力を借りて分析を行うことが、効果的であると思います。
次の図は分析フェーズで必要な提出物/共有すべき情報などを決定するチェック項目の例です。
繰り返し業務のうち本当に必要なものを選び、項目内容を標準化した上で選択方式で必要な提出物のすべてをあらわせるようにします。実績・成績の報告と活動内容の報告とに大きく二分し、各自が作成するための補助ツールを用意するとかDWH(データウエアハウス)から直接取り込めるように設計するとか、アンケートのように質問に答えるだけで報告書ができるツールを用意するとか、どのように作れば効果があり使えるのかを分析します。そして、送り先への連絡方法もメールやプリント文書、DBへの書き込みなどを通じてなどいくつかのバリエーションを設定します。またそのルートについても上司のみなのか、ワークフローツールを使って複雑なルート設定もできるようにするなどの方針を決定します。
2.効果的なテーマをプログラム化
分析段階で効果が高いと考えられたテーマを、実際にシステム設計します。問題課題の多くはワークフローなどのツールを活用して効率化されます。繰り返し業務の多くはDWHなどを活用して簡単に情報コンテンツを作成します。
開発する機能の例
得意先プロパティDB・訪問ランク管理・特売プロジェクトワークフロー・店頭フォロー管理・納品時サービスフォロー管理・戦略示達モードワークフロー・情報収集モードワークフロー・クレーム&トラブル掲示板(得意先・商品・トピックス)・商談トレース管理(特売・定番・棚替)・報告DB管理・トピックスあいまい検索・マーケティング情報連絡機能(パッケージソフトウエア間連携)
営業支援システムの体系例を図示します。参考にしていただければ良いと思います。
3.指標・基準の策定
前述しましたように指標や基準がはっきりしていないと、評価がしっかりできないばかりかやる気を損なってしまう恐れがあります。指標・基準の策定はコンサルティングフェーズを設け、貴社にベストマッチするものとして作ります。同時にSFAシステムの内容を理解して進めるので、「コンサルティングを行ったものの具体的にシステム化できなかった」などということになりません。
策定する指標・基準の例
期間内売上推移偏差(月間・四半期・半期・年間)・期間内粗利推移偏差(月間・四半期・半期・年間)・締単位達成基準(売上・粗利・債権)・特売利益基準・与信限度基準・営業コスト指標・物流コスト指標・訪問基準(内容・回数・時間)・返品基準・配荷率評価指標・研修受講基準・部下育成基準・資格基準
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